日韓コミュニケーションを成功させるために

みなさんこんにちは、Yuki.Aです。

筆者は元々、異文化間コミュニケーションについて興味があり、特に最近はこのトピックに触れることが多いので、前回、前々回では「異文化間ミスコミュニケーション」「英語話者と日本人のコミュニケーション」について紹介しました。

そして今回は、日本人に身近であろう「日本人と韓国人のコミュニケーション」をトピックにみていきたいと思います。

日本と韓国には似ている部分も多くあるなか、どのようなことに気を付ければお互いにうまくコミュニケーションをとることができるのか?本記事を読めば、そのヒントを得られるはずです。

「箸とチョッカラク」

今回参考にした文献は「箸とチョッカラク」(任栄哲、井出里咲子著)です。

この本は2004年に発売されたものになるので少し古いですが、現在にも通じる内容も見られたので読んでいて面白かったです。

本記事では、特に興味深かった3つのトピックを、筆者の経験も交えつつ紹介していきたいと思います。

日本人と韓国人のコミュニケーションスタイルの違い

韓国人:「攻め」の手法。具体的・直接的な質問をすることが、相手に対する関心をはっきり示し、親近感を生みだすと捉えられている。初対面の相手でも、あれこれ熱心に聞き出す。

日本人:「待ち」の手法。相手の自己開示を促すような、間接的な質問を行う。そしてその反応に合わせて話を進める。

つまり、日本人的には「韓国人は心のパーソナルスペースにずかずか入り込んでくるなぁ」という印象を持つ場合があるということです。

私自身が韓国に行ったときは、度を越していると思われるほどあれこれ聞かれた記憶はないですが、積極的に話しかけてくれた人が多い印象はありました。

例えば、SUBWAYで店員のおじさんは韓国語が拙い自分にわざわざ英語で話しかけてくれたり、博物館で見知らぬ女性が「一緒に回りましょう」と声をかけてくれたり。他にも、話しかけはしなくても食堂のおばあちゃんが笑顔で客(自分)の食べっぷりをじっと見つめていたり。

積極的な交流を望んでくれているんだな、と思うことが多かったです。私は韓国の方とコミュニケーションをとって、韓国について知りたい気持ちが大きかったため、そのような雰囲気が非常にうれしかったです。

でも確かに、過度に干渉されることを嫌がる人にとってはうざったく感じることもあるかもしれません。しかし、「積極的な会話」は韓国人のポジティブな感情を表しているという風に考えて、ありがたく思うとよいのではないでしょうか。

余談ですが、韓国人のほとんどが積極的に話しかけてくるかというとそうではないと感じました。積極的に話しかけてくれる韓国人には中年以上の方が多かった印象があります。逆に、若者にはそうではない方も一定数いる感じがしました。

個人的には、積極的に話をしてくれる人とそうではない人のギャップに驚いたことを覚えています。両極端な感じがしました。(どちらがいい悪いとか、そういう話ではないです。)

日本人と韓国人の「お礼」における意識の違い

次の文章では、この本の筆者の興味深い体験と、感じたことが述べられています。韓国の大学へ教師として赴任したばかりの筆者が、「お礼」への意識について日韓差を感じたエピソードです。

…勤務校を初めて訪れたときのことである。…韓国語ができない筆者は必要書類の準備などが一切できず、結果として学科の先生をはじめ、いろいろな人にすっかりお世話になってしまった。…学科の諸先生には日本からの手土産を用意しておいたのだが、あいにく助教(日本語の「助手」にあたる大学院生たち)たちの分は計算に入れていなかったので、その日の帰りがけに有名デパートへ立ち寄り、…お菓子箱を買った。翌日それを助教たちに渡すと、彼らは少しはにかむように礼を言い、きれいに包装されたその包みを受け取ってくれた。

 問題はそれからである。翌日、翌々日と大学で助教たちと顔を合わせて仕事をするうちに、筆者の心の中にある不満が募りはじめたのだ。例のプレゼントについて助教たちが何も言ってくれないのだ。こちらとしては「お菓子おいしかったですよ」なり「この前はどうも」なり、なんらかの反応を期待していたのに、三人ともまるで申し合わせたかのように、そのことについてひと言も触れない。…次第に「もしかして気に入ってもらえなかったかも……」…といった不安に変わっていき、正直なところ気が気ではなかった。

確かに、日本ではなにかでお世話になったら「この前はありがとうございました」といったニュアンスのことを、次に会ったときに伝えるのが普通ですよね…。日本人として、この状況に不安を感じるのは自然なことだと思います。

 日本人である筆者が、韓国人は日本人に比べ事後のあいさつをあまりしないということを学んだのは、こうした経緯からである。しかし、このエピソードは、同時に日本人がこうした場面で、いかにあいさつに固執するかを物語っているのだろう。

「箸とチョッカラク」(任栄哲、井出里咲子著)より抜粋

実際に、この本の筆者が助教たちに、プレゼントのお礼を一度しか言わなかった理由を尋ねたところ…

助教1(女):一回言えば気持ちは伝わっていると思った

助教2(女):何度もお礼を言うと、もっと頂戴と催促しているようで失礼だから

助教3(男):あれくらいの贈り物で何度もあいさつすると大げさ

という回答が返ってきたそうです!(笑)

まったく悪気はないし、むしろ「お礼は一回」というのが彼らにとっての礼儀であるわけです。

つまり、韓国人が「礼儀知らず」というわけではなく、私たち日本人も「こういう場面ではあいさつすべきだ」という思考にとらわれているのです。

もちろん、日本で暮らすうえでこの考え方は必須でしょう。しかし、外国人とかかわる際には、この思考にとらわれすぎない必要があると感じます。

あいづちが多い日本人、目を見て聞く韓国人

「あいづちを多く打つ人に対し肯定的なイメージを持っている」と回答した人の数は韓国人より日本人が多いそうです。確かに、日本人にとってあいづちは話を聞いているという合図であり、相手があいづちをうってくれていると安心して話せますよね。

一方、韓国人は「目上の人の前や改まった場では、あいづちは控えるもの」と捉えているそうです。(口数を控え、姿勢を正し黙って聞く態度が礼儀とされる。)

そして代わりに、相手の目を見て誠意を表すことが多いとのこと。

ですから、韓国人と会話する際に「あいづちが少ないな…」「話聞いてるのかな…」と不安になる必要はないということですね!逆に私たちも、韓国人、特に目上の方と話すときには、あいづちよりも相手の目を見て話す気遣いができたらいいのではないでしょうか。

私はあまり意識したことはなかったのですが、確かに韓国の方と話しているときにあいづちをされた記憶はあまりないような…また韓国に行く機会ができたときに、確かめてみたいと思います!(笑)

まとめ

似ているところが多いと言われている日本と韓国。

しかし両国の「コミュニケーションスタイルの違い」「お礼の意識差」「あいづちの捉え方の違い」など、細かい違いを知らなければ、誤解が生まれてしまう可能性もあります。

日本に一番近い国で、かかわりも深いからこそ、このような知識を持って韓国の方と良い関係を築いていけたらいいのではないでしょうか(^-^)

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